《香港の道》香港唯一の氷の供給源 - 雪廠街/Ice House Street

雪廠街/Ice House Street。奥の方で右にカーブするとFringe Clubが現れる。

Fringe Clubの建物。中には外国人記者クラブも入っている。元々は、食材を取り扱うDairy Farmの倉庫だった。雪廠街/Ice House Streetを登ってくると右手奥の場所につながる。

セントラルの中心街に、「雪廠街/Ice House Street」という、異彩を放つ名前の道があります。坂道になっているこの道を登っていくと、正面に、色や形が特徴的な建物が現れます。

アヘン戦争から4年後の1845年、香港にて、アメリカ、特にニューイングランドやニューヨークから輸入した氷を販売するため、Hong Kong Ice Companyが設立されました。当時の政府は、Hong Kong Ice Companyが病院へ氷を安価な値段で販売できるよう、この土地に氷の貯蔵庫を作らせ、75年間無料でこの土地を付与しました。当時の香港には氷の製造工場がなかっため、1874年にCauseway Bayに氷工場ができるまで、ここが唯一の氷の供給源でした。次第にこの道は「雪廠街/Ice House Street」と呼ばれるようになりました。

1892年には、食品メーカーのDairy Farmが、雪廠街/Ice House Streetのすぐ近くに大型冷蔵貯蔵庫を建設しました。この建物は、一級歴史建築物に指定されていて、現在では外国人記者クラブや、ライブハウスとして使用されています。