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給与支払報告書 (BIR56A、IR56B)

給与支払報告書 (BIR56A、IR56B)

英語名:Employer's Return
繁体字名:僱主報税表
書類名:BIR56A、IR56B(雇用中の従業員の場合)

雇用主としての税務関係の義務として、二つの義務があります。一つは従業員に支払った給与を税務局に報告する義務です。対象支払い期間は毎年4月1日から3月31日までの1年間です。税務局が発行する、報告書の表紙であるBIR56Aと呼ばれる書類を受け取ったあと、必要事項を記入して一ヶ月以内に税務局へ提出します。BIR56Aを受け取った場合には、たとえ従業員がいない場合や会社が営業していない場合であっても、税務局への提出は必要です。加えて、雇用中の各従業員へ支払った給与を報告するIR56Bも同時に提出する必要があり、提出した各IR56Bの写しは各従業員へも提供しなければなりません。また、新たな従業員に関してはIR56E、雇用が終了した従業員に関してはIR56F、永久に、もしくは長期に渡って香港を離れる従業員に関してはIR56Gと呼ばれる給与支払報告書も必要になります。なお、従業員以外に支払った報酬についてはIR6036BとIR56Mと呼ばれる報告書を提出します。

BIR56AとIR56Bに含まれる従業員は以下の通りです。

1. 年収が毎年設定される一定の金額を超える独身者(2019/2020は132,000香港ドル)
2. 年収に関係なく全ての既婚者
3. 年収に関係なく全ての非正社員
4. 年収に関係なく全ての取締役

もう一つの雇用主としての税務関係の義務は、業務記録の7年間の保管です。その中には給与記録も含まれ、給与記録には以下の項目が含まれます。

1. 個人情報(名前、住所、香港ID/パスポート番号及び発行地、婚姻状況)
2. 雇用形態(正社員か非正社員か)
3. 職位
4. 現金給与額(香港ドルか外貨か香港以外での支払いか関係なく)
5. 現金以外の福利厚生(寮、旅行券、株、新株引受権など)
6. MPFや類似商品への積立金支払い(従業員負担分と雇用主負担分)
7. 雇用契約やその後の修正事項
8. 雇用期間

従業員の個人情報が更新されたり、雇用期間を変更する場合は、税務局に届出する必要があります。